こんにちは

カウンセリングサービスのなかやしのぶです。

 

最近の私は、どうも母を愛していた自分を受け入れなければならないようです。

ひとりになると、ふとした場面で、心がザワザワします。

 

スーパーで買い物をしている時、なぜか心が揺れるんです。

お風呂に使っている時、料理をしている時、洗濯物を干したりたたんでいる時、母を思うと涙がこぼれます。

こんなにも母のことが出てきてしまうと、母との別れが近いのかと不安にもなったりします。

 

私が、母への思いに素直になる時期がやってきたみたいです。

だから、母のこと4を回に分けて書いてみようと思います。

今回は、その4回目、最後の話しです。

 

*

 

私は、自分が子どもだった時の両親を思い出してみました。

父は、強く頼りがいのある人でしたが、家の中のことは一切できなかったので、家の中のことは母を頼りにしていました。

そんな母を、父は他人の前でよく褒めました。そして母は、褒められると、恥ずかしそうに照れ笑いしました。

 

父が家に帰ってくると、母はいつも嬉しそうでした。

船の仕事をしていた父は、数か月も家に帰ってこられない出張が多く、母はいつも父の体調を心配し、帰りを心待ちにしていました。

出張でなくても、父が会社から帰ってくると、すぐにビールとつまみを出し、料理を作り始めました。

父に作りたてを食べさせることが母のこだわりでした。

だからなのか、父に「美味しい」と褒められると、母は本当にとても嬉しそうでした。

 

両親は、2人でよくおしゃべりをしました。

私が母にだけ話したことは、必ず父も知っていましたし、その逆も同じで、母と父には隠し事がありませんでした。

時々口げんかをすることはありましたが、両親はとても仲が良かったのです。

ハナミズキ

 

私は、いつも子どもの目線で両親を見ていたので、何もわかっていませんでした。

自分も夫と、子どもを持った一人の大人として母を見てみると、母という女性は、ずっと父を愛していたのだと思いました。父も母を妻として大切にしていたのだと思いました。

 

父の病気がきっかけでが認知症になったのは、頼れる人がいなくなる現実から逃げたのでも、一人で生きる寂しさから逃げたのでもなく、父が苦しむ姿を見ることから逃げたかったのかもしれないと思いました。

どんなに愛しても、父を死から救えない現実から逃げたかったのかもしれないと思いました。

 

もしくは、母は、父の脳腫瘍という苦しみを、アルツハイマー型認知症という脳の病気として、少しで分かち合おうとしたのかもしれないなと思いました。

わざと、父の苦しみをわかってあげたくて、自らも認知症になったのかもしれないなと思いました。

それほど母が、父を愛していたのだと思えると、今まで母に腹を立てていたことは、全て私の間違いだったと思いました。

 

の病気が再発したころから、私は、夫と離婚するかしないかで揉めるようになりました。

父の死と、母の認知症と、夫との離婚問題と、私は問題をいくつも抱えて苦しんだ時期でした。どうしたらいいのかわからなくて、明るい未来が想像できなくて、頼れる人がどこにもなくて・・・そんな風に思って、現実から逃げたかったのは私でした。

 

私は、認知症になった母に、そんなことを思っていた自分を重ねていたんです。

当時はそんな風には思えませんでしたけど、

母じゃなくて私が、頼れる父や夫が居なくなる現実、一人になってしまう寂しさや悲しさから逃げたかったんです。

両親や夫の気持ちより、自分の事ばかり考えて、弱くて、情けなくて、ずるいのは、母ではなく私自身だったのです。

 

私は、母にずっと甘えていたのです。

認知症の母は弱くて、情けなくて、ずるい私を、人のせいにして自分勝手な私を、全部引き受けてくれました。

認知症になった母のおかげで、私は真実にたどり着くことができたのです。

 

そこにたどり着くと、自然と夫との関係も元に戻っていきました。

私は、母の力を借りて、夫の力も借りて、父を亡くした悲しみを乗り越えることができたのです。

 

改めて、母が苦しむ父を見ずに済んだのはよかったのだと思います。

亡くなった父も、苦しむ母を見ずにいられたことはきっとよかったのです。

最後まで、母も父もお互いを愛していたのだと思います。

 

そして私も、母にも父にも愛されていました。

父の死と母の認知症と、両親が揃う最期に、ようやく私は、愛されていたという真実を受取ることができたのです。

 

*

 

私は以前から、母が愛の人であることを書き残しておきたいと思っていました。

 

上手に説明できてはいないと思いますが、この母の話には、心理学でいう、投影、許し、癒し、愛、罪悪感、無価値観、怒り、悲しみ、喪失感・・・色んなものが詰まっています。

色んな視点で、色んな解釈で、母を愛を見つけることができたのは、心理学の学びがあったからです。

 

こうして改めて母の愛に触れたことで、ずっと私の心にあった重たくて、黒いものが、溶けていくようです。

*

あなたが、真実にたどり着けますように。

あなたの心が、愛でいっぱいになりますように。

 

最後まで読んでくださりありがとうございました。